ブスと言われたので整形した話

私は整形美人だ。

だから今ほんのちょっとだけ不安がある。


お腹の子のことだ。
どうかお母さんに似ないでくれ…!
かと言ってお父さんも不細工なので、あわよくば
不細工遺伝子同士の化学反応で、最強のイケメンが
生まれることを願ってやまない。

ちなみに携帯の待受は可愛いベビタレにしてある。


一言整形と口にすれば、親にもらった体を何とか
かんとか言う人がいるかもしれない。実際、
「整形するから」と伝えたときの親の顔は
正視できなかった。申し訳ないとは思っている。



あれは私が幼気な、根暗なブスの女子高生だった
ときのことである。他校の高校生から遠巻きに
おいブス!おめ〜だよ!ブ〜ス!!
と言われたのだった。その場にいたブスは私だけ
だったので、間違いなく私のことかと思う。

とても深く傷ついた。

自分が気にしていることを、改めて他人から
言われると悲しいものだ。また、日を空けずして
ブス面で自転車に乗っていたときのこと、
狭い道路を徐行していると、対向してきた男に
どけブス!!と言われたのだった。
これも傷ついた。
そういえば、小学生の頃に名前も知らない
隣のクラスの男子に、アイツ鼻の穴でかくね?って
言われたときも深く傷ついた。
一応、ダメ押しにもう一件。中学では嫌がらせを
してくる私と同等のブスがいたが、そいつに
すれ違いざま、ブスと言われたことも挙げておこう。

そんな感じで、小学生〜高校生の間、私は自らの
ブス面、もといブス辛を嘆いて生きてきたのだ。



私にとって、整形は悪徳どころか一縷の望みであった。
事実、人生は驚くほど好転した。

私は整形したブスであって、実際のところ、
整形「美人」ではないのだが、気持ちは前向きだ。

これまでは、ブスと言われればうつむいて
唇を噛み締めて去るしかなかった私だが、この前
通りすがりの高校生に「ブス」と言われたときには
ニヤニヤしながら一定の距離で後を追うくらいには
余裕があった。



※もちろんフィクションのお話です。